私は毎日、日記をつけている。
日記帳には『噬嗑記』と名付けている。
噬は噛むこと。
嗑は合うこと。
噬嗑とは噛んで合うことである。
口の中にあるものを噛み砕き、上の歯と下の歯がかっちり噛み合うことである。
口に入れた食物をしっかりと噛み砕き、上歯と下歯を噛み合わせて咀嚼する。
よく噛んだ後、食物を嚥下する。
それが栄養になり、活力になる。
「噬嗑は
『噬嗑記』と名付けたのも、日記にふさわしいと思ったからだ。
日常の出来事や気づき、感情を記録していく。
毎日を漫然と過ごすのではなく、その日その日のことを噛み砕き、咀嚼し、反省し、修養の糧とする。
まさにこれは噬嗑の徳であると思い、『噬嗑記』と名付けた。
このブログにも、噬嗑の二文字はぴったりであろう。
ただ、他人の目に触れるものだから、自分用の日記とは異なる。
そこで、『噬嗑記』とせず『噬嗑録』とした。
記も録も「しるす」であり、大意ではあまり差がないが、自分の中での区別である。
「噬嗑」が、このブログのテーマである。
- 自分が学んだ内容を噛み砕き、咀嚼する。自分なりに整理して理解を深める。
- 読んだ人が興味を抱けるように、陳腐にならないように、自分の体験を交えたり、様々な例を挙げたりしながら、噛み砕いて書く。
といったイメージを抱いている。
とりわけ、自分の学びを深めることを重視したい。
丁寧に学び、自分の学問が大きくなってくると、整理しながら学ぶことの重要性が高まってくる。
色々学ぶ中で、あまりよくないものも取り入れているかもしれない。
理解に苦しむが、味わうべきものもあるだろう。
学びの段階では特に関連付けられていないもの同士を、あえて関連付けることで深まることもある。
そういったものを、噬嗑の徳でこなしてゆく。
噛み砕く中で、異物と思えば吐き出してしまう。
固いもの、味の悪いもの、しかし滋養溢れるものは念入りに咀嚼する。
別々になっているものをよく噛み合わせ、粉砕して合同する。
これは、学問において欠かせないことである。
こんな目的意識を以て、ブログタイトルを『噬嗑録』とした。